SAPの「原価センタ」と「利益センタ」の違い

経理業務でSAPを使用していると発生する疑問の1つとして、「原価センタ」と「利益センタ」の違いがある。

それについて、“SAP CO CONTROLLING SAP ERP ECC6, SAP R/3 4.70”では次のように書かれている。

The Cost Center merely represents costs. The Profit Center, on the other hand, is a responsibility center for the profit which is nothing but the balance of costs and revenues.

要するに、原価センタ(Cost Center)は費用だけが集計される(費用のみに責任を持つ)のに対して、利益センタ(Profit Center)は費用と収益の差額である利益が集計される(利益に責任を持つ)のである。

「利益センタ」を上手く活用出来るのは、事業部制(カンパニー制)組織を採っている企業だけだと思われる。
なぜなら、事業部制(カンパニー制)組織を採っていない企業が利益センタを活用するためには、共通部門(例えば、総務・人事・経理・法務・経営企画・情報システムなどの間接部門・管理部門、研究開発部門など)で発生した費用を各利益センタに適切に配分するロジックが必要だからである。
しかしながら、そのようなロジックを編み出すことは容易でない。
それゆえ、利益センタを活用することを諦め、1つの会社(会社コード)で1つの利益センタしか設定していない、という事例も多いのではないだろうか。
(厳密に言うと、ダミーの利益センタが必要なので、1つの会社(会社コード)で2つ以上の利益センタを設定する必要がある。)

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