開示担当者の働き方改革に逆行する「企業内容等の開示に関する内閣府令」の改正案




2018年11月2日、金融庁は「企業内容等の開示に関する内閣府令」の改正案を公表しました。

1.主な改正内容

 本年6月に公表された金融審議会ディスクロージャーワーキング・グループ報告において、「財務情報及び記述情報の充実」、「建設的な対話の促進に向けた情報の提供」、「情報の信頼性・適時性の確保に向けた取組」に向けて、適切な制度整備を行うべきとの提言がなされました。

 当該提言を踏まえ、今般有価証券報告書等の記載事項について、以下の改正を行います。

○ 財務情報及び記述情報の充実

  • 経営方針・経営戦略等について、市場の状況、競争優位性、主要製品・サービス、顧客基盤等に関する経営者の認識の説明を含めた記載を求めることとします。
  • 事業等のリスクについて、顕在化する可能性の程度や時期、リスクの事業へ与える影響の内容、リスクへの対応策の説明を求めることとします。
  • 会計上の見積りや見積りに用いた仮定について、不確実性の内容やその変動により経営成績に生じる影響等に関する経営者の認識の記載を求めることとします。

○ 建設的な対話の促進に向けた情報の提供

  • 役員の報酬について、報酬プログラムの説明(業績連動報酬に関する情報や役職ごとの方針等)、プログラムに基づく報酬実績等の記載を求めることとします。
  • 政策保有株式について、保有の合理性の検証方法等について開示を求めるとともに、個別開示の対象となる銘柄数を現状の30銘柄から60銘柄に拡大します。

○ 情報の信頼性・適時性の確保に向けた取組

  • 監査役会等の活動状況、監査法人による継続監査期間、ネットワークファームに対する監査報酬等の開示を求めることとします。

2.施行・適用について(予定)

 改正後の規定は公布の日から施行する予定です。

 なお、改正後の規定は、以下の適用予定です。具体的な適用時期については、別紙2を御参照ください。

①平成31年3月31日以後に終了する事業年度に係る有価証券報告書等から適用(上記「建設的な対話の促進に向けた情報の提供」欄に記載の項目等)

②平成32年3月31日以後に終了する事業年度に係る有価証券報告書等から適用(上記①以外)

※ ②については平成31年3月31日以後に終了する事業年度に係る有価証券報告書等からの適用可。

金融庁:「企業内容等の開示に関する内閣府令」の改正案の公表についてより引用)

改正案を一言でいうと

改正案の内容を一言でいえば、有価証券報告書に書くことが増えるということです(笑)

実際に適用が開始されると、開示担当者の実務負担が大幅に増えそうです。働き方改革に逆行した改正です(笑)

どうして、有報に書く内容が増えるのかというと、投資家にとって有益な情報(=詳細な情報)が欲しいというニーズに応えたものです。

改正の詳しい経緯・背景については、金融審議会「ディスクロージャーワーキング・グループ」報告の公表についてをご覧ください。

適用時期

3月決算の会社の場合、

  • 「役員の報酬」「政策保有株式」等については、今年度(2019年3月期)から適用されます。
  • その他については、翌年度(2020年3月期)から適用されます。

準備する間もなく適用が開始します。

こういう改正があるときは、2月決算の会社は得ですね。なにせ、3月決算の会社よりも適用が11か月遅れるわけですから。

おそらく、これから監査法人やコンサルティング会社などによるセミナーが頻繁に開かれることになるでしょう。



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